【11月23日 AFP】スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんを含む気候活動家が22日、イタリア・ベネチアのカナル・グランデ(大運河)を緑色に染めた。これは、ブラジルで行われた国連気候変動枠組み条約第30回締約国会議(COP30)で、化石燃料の段階的廃止という重要課題をめぐり各国が合意に至らず苦慮している最中の出来事だった。

気候運動団体「エクスティンクション・レベリオン(絶滅への反逆)」は、環境に無害な染料をイタリア国内10都市の運河や河川、湖、噴水に流し込み、「気候崩壊の甚大な影響」を訴えたと発表した。

トゥンベリさんも参加した「ストップ・エコサイド」抗議では、赤い服と顔を覆うベールを身に着けたデモ参加者たちが、観光客で賑わう人混みの中をゆっくり歩く様子が映像に記録されている。

緑色の染料はトリノのポー川、ボローニャのレーノ川、さらにパドバやジェノバの噴水にも流し込まれたと、同団体は述べている。

COP30では新たな合意文書を採択したものの、化石燃料の段階的廃止に関する弱い条件を受け入れる形での合意となった。

エクスティンクション・レベリオンの活動家の一人は、「気候と社会の崩壊に対抗するための国際的な政治合意を定める、最も重要なサミットが終盤を迎えているが、今年もまたイタリアは最も野心的な提案を阻止する国の一つとなっている」と批判の声を上げた。(c)AFP