国籍偽装で市長になった中国人女、人身売買で終身刑 市内で詐欺拠点運営 フィリピン
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【11月21日 AFP】フィリピンの首都マニラの地方裁判所は20日、国籍を偽って違法に市長になった中国人の女に対し、人身売買に関与した罪で終身刑を言い渡した。
北部ルソン島バンバンの前市長アリス・グオ被告(35)は、バンバン市内にある中国系詐欺施設の運営に関与し、外国人ら数百人を人身売買し、言うことを聞かなければ拷問すると脅して詐欺に加担させていた。
オフィスビル、高級ビラ、大きなプールなどを備えた広大なこの施設は、2024年3月にベトナム人従業員が逃亡し警察に通報したことで家宅捜索を受けた。
現場ではフィリピン人、中国人、ベトナム人、マレーシア人、台湾人、インドネシア人、ルワンダ人ら700人以上が発見され、グオ被告が施設を所有する会社の社長であることを示すものとされる書類も押収された。
マニラの裁判所は6月、グオ被告は中国人であるにもかかわらず国籍だと偽って違法に市長になったと認定。「まごうことなき中国人」であり、市長職に就く資格は最初からなかったと判断した。
グオ氏は国外に逃亡したが、2024年9月、インドネシア警察によって逮捕された。
グオ被告は、マネーロンダリング(資金洗浄)と汚職の罪にも問われている。
グオ被告に関する上院の調査を主導したリサ・ホンティベロス上院議員は20日の判決を「汚職、人身売買、サイバー犯罪、その他多くの国際犯罪に対する勝利」と呼んだ。
ホンティベロス議員は声明の中で、「わが国における中国の諜報(ちょうほう)活動の全容」を解明すべく引き続き調査していくと表明した。
AFPは在フィリピン中国大使館にコメントを求めたが、回答は得られていない。(c)AFP