米、子どもの性別変更やDEIプログラムを「人権侵害」として調査へ
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【11月21日 AFP】米国は20日、各国の人権状況に関する年次報告書で、子どもの性別変更や多様性・公平性・包括性(DEI)プログラムを支持する国々の調査を開始すると発表した。大きな方針転換だ。
国務省が公表する「人権慣行に関する年次報告書」は、長年にわたり各国における人権侵害の包括的な説明を試み、しばしば各国政府の怒りを買ってきた。
ドナルド・トランプ政権は、人権問題に対する米国の姿勢を変え、この問題を敵対国へのこん棒として、また国内の優先事項を推進する手段として利用する一方、他の利害が絡んでいる際には人権に対する懸念を軽視している。
マルコ・ルビオ国務長官は、より簡潔なものに改訂される年次報告書の一環として、トランプ政権にとって重要な問題について報告するよう世界各地の米大使館に公電で指示した。
国務省のトミー・ピゴット報道官は、「近年、新たな破壊的なイデオロギーが人権侵害の温床となっている」と主張。
「トランプ政権は、子どもの身体損傷、言論の自由を侵害する法律、人種差別的な雇用慣行といった人権侵害を許さない」「もう我慢の限界だと言っている」と続けた。
具体的には、世界各地の米大使館に対し、「子どもの性別変更を目的とした化学的・外科的な身体損傷」を認めている国について報告するよう求めるという。
また、「人種、性別、カースト(社会階級)に基づくアファーマティブ・アクション(積極的差別是正措置)」やその他の「優遇措置」についても監視するよう求めた。
第2次トランプ政権が初めて発表した人権報告書(8月に発表されたが、大部分はトランプ氏の政権復帰前に調査されたもの)では、性的少数者(LGBTQ)の権利は著しく軽視され、同性愛行為に対して死刑を含む厳しい処罰を規定する反同性愛法を施行しているウガンダなどの国に関する言及さえ削除されていた。
ルビオ氏は、トランプ政権にとってもう一つの重要課題である「言論の自由」の侵害についても監視するよう公電で指示した。(c)AFP