ウクライナ、新たな和平案でドンバス地域をロシアに割譲へ
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【11月21日 AFP】ウクライナは、米国のドナルド・トランプ大統領が支持する28項目からなる和平案の下、東部ドンバス地域をロシアに割譲することになる。AFPが20日に入手した草案で明らかになった。
計画ではウクライナ軍は兵力を60万人に制限することが求められ、欧州の戦闘機がポーランドに配備されてウクライナを防衛する一方、北大西洋条約機構(NATO)はウクライナ国内に駐留しないとされている。一方でロシアは主要8か国(G8)へのへの復帰と国際経済への再統合が認められる。米政府関係者は、この計画はまだ「作業中の文書」だとしている。
ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は記者団に対し、「大統領はこの計画を支持している。ロシアとウクライナ双方にとって良い計画だ」と述べた。
レビット氏によれば、スティーブ・ウィトコフ米特使とマルコ・ルビオ米国務長官が、過去1か月にわたりロシアおよびウクライナと「ひそかに」協議を重ねてきたという。一方でレビット氏は、この計画がロシアの最大限の要求を反映しているとの懸念を否定している。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、今後数日以内にトランプ氏とこの計画について協議する予定だと述べ、「われわれの独立と主権を尊重する、品位ある平和」でなければならないと強調した。
■領土問題
ウクライナは現在もドンバス地域のルハンスク州とドネツク州の一部を保持しており、両州は戦争の最前線にある。クリミアは2014年にロシアに併合された。
計画によれば、ウクライナが撤退したドネツク州の地域は非武装地帯とされ、ロシア軍はそこに進入しないとされている。
ロシアが一方的に併合を主張する南部ヘルソン州とザポリージャ州については、「接触線に沿って凍結」されるという。
ドンバス州、ヘルソン州、ザポリージャ州に関する内容は、これまでロシア政府が主張してきた要求と一致している。
また、2022年3月からロシア軍が占拠しているザポリージャ原発は、国際原子力機関(IAEA)の監督下に置かれ、発電された電力はロシアとウクライナで分配されるとされている。
ロシア軍はウクライナ領土の約5分の1を占領しており、その多くは長年の戦闘で荒廃している。
