【11月21日 AFP】環境保護団体グリーンピースは20日に公表した報告書で、中国発のインターネット通販「SHEIN(シーイン)」が販売する衣料品に、欧州連合(EU)の基準値を大幅に超えるレベルの有害化学物質が含まれていると非難した。

SHEINの広報はAFPに対し、「予防措置として、世界中のサイトから特定できる商品を削除する」と述べた。

グリーンピース・ドイツは、検査した衣料品56点のうち18点に「EUの化学品の登録、評価、認可および制限に関する(REACH)の基準値を超える有害化学物質が含まれていた」と指摘。基準値を「大幅に」超えるものもあった。

18点中には、ホルムアルデヒドに関するREACHの基準値を超えた子ども用の人魚の衣装もあったという。

また、大人用ジャケットには、プラスチックの柔軟性を高めるために使用されるフタル酸エステルが大量に含まれていたとされる。フタル酸エステルは、多くの健康問題との関連が指摘されている。

グリーンピースは声明で、これらの物質は「特に生産国の労働者と環境に影響を与えている」「しかし、消費者も皮膚の接触、汗、繊維の吸入を通じてこれらの化学物質にさらされている」と述べている。

さらに、問題の衣料品が「洗濯または廃棄されると、これらの物質は河川、土壌、そして食物連鎖に入り込む」とも指摘している。

SHEINの広報は、同社は「製品の安全性を非常に重視しており、関連規則を満たした安全な製品を顧客に提供することに尽力している」「グリーンピースが事前に検査結果を提供しなかったため、まだ評価できていない」として、グリーンピースの主張について調査中だと述べた。

ドイツの消費者団体も10月、SHEINとTemuが販売する製品の一部を検査した結果、ほとんどがEUの安全基準を満たしておらず、「有毒」の可能性や発火の危険性があるものが含まれていることが判明したと発表した。

SHEINは当時、問題の製品を取り下げたと発表していた。(c)AFP