「TQG」ホームページキャプチャー(c)news1
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【11月20日 KOREA WAVE】北朝鮮が、中国共産党がかつて樹立した「中華ソビエト共和国」を題材にした記念銀貨を発行した。限定150枚が製造され、主に海外市場への流通を目的としているとみられ、外貨獲得に向けた新たな動きとの見方が出ている。

発端は、中国の北朝鮮貨幣コレクターが入手した未公開の銀貨だった。このコレクターは真偽を確かめるため、マレーシアに拠点を置く硬貨鑑定機関「TQG」に分析を依頼した。分析の結果、発行元は「朝鮮民主主義人民共和国」、すなわち北朝鮮の中央銀行であることが確認された。さらに、米国の権威ある貨幣鑑定会社NGC(Numismatic Guaranty Corporation)により、保存状態の最高ランク「PF 70」の評価を受けたという。

この銀貨には「全世界無産階級連合が始まる」との意味を持つ漢字表記と、労働者と農民を象徴する「鎌と槌」のマークが刻まれている。1934年に中国の「革命根拠地」として知られた川陝省(過去の四川省と陝西省を合わせた地域)で発行された銀貨を復元したものとみられる。

注目すべきは、銀貨側面の仕様だ。従来の北朝鮮貨幣とは異なり、縁には発行国名「DPRK」と額面「1WON」が刻まれており、意匠面でも新たな試みが見られる。

「中華ソビエト共和国」は、1931年から1937年まで中華民国体制下に存在した共産政権で、毛沢東が主席を務めた。中華人民共和国の前身ともされ、ソ連の支援を受けた唯一の東アジアのソビエト国家だった。

この銀貨のほかにも、清朝道光年間に台湾で鋳造されたとされる銀貨も同時に復元された。両貨幣は北朝鮮の中央銀行が企画・発行した「朝中歴史記念レアコインシリーズ」の第1弾に当たる。発行枚数は中華ソビエト銀貨が150枚、台湾銀貨が300枚とされている。

関係者によれば、北朝鮮の中央銀行はこの歴史復元貨幣プロジェクトを6年前から中国側に提案していたが、2019年までに2度申請を拒否されていた。だが、2025年9月、北朝鮮のキム・ジョンウン(金正恩)朝鮮労働党総書記が中国を訪問したのを機に進展が見られ、シリーズ発行が最終的に承認されたという。

中国のコレクターコミュニティによれば、銀貨は現在、1枚あたり約650元(約1万4000円)で取引されている。発行量や保存状態、歴史的背景などの希少性が評価される収集市場において、今後さらに高値での流通や外貨獲得手段として活用される可能性も指摘されている。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News