【11月19日 AFP】ナイジェリアのボラ・ティヌブ大統領は18日、イスラム過激派組織「イスラム国西アフリカ州(ISWAP)」に陸軍の将官級准将が殺害されたことを認めた。

ISWAPは17日、ムサ・ウバ准将の写真を添えて、数日前にチャド北部で同組織の戦闘員が上級将校を待ち伏せして殺害したと発表していた。

ISWAPによると、ウバ准将は脚を負傷し、逃走を試みたところを拘束されたという。

ティヌブ大統領は声明で、「現役の兵士・将校の悲劇的な死に心を痛めている。ムサ・ウバ准将をはじめとする戦死した英雄たちのご遺族に神のご加護がありますように」と述べた。

ナイジェリア軍は当初、ウバ准将が待ち伏せ攻撃で捕まったという報道を否定していた。

だが、ナイジェリアの情報筋は16日夜、AFPに対し、ウバ准将はISWAPに拘束されており、「最悪のシナリオ」が懸念されていると語った。

ナイジェリア軍と国連の報告によると、この待ち伏せ攻撃でナイジェリア兵2人と自警団員2人が死亡した。

ISWAPは2016年、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」から分派。ナイジェリア軍への攻撃に重点を置いている。

ナイジェリア北東部では2009年以降、イスラム過激派による反乱で4万人以上が殺害され、200万人近くが家を追われた。イスラム過激派は隣国のニジェール、チャド、カメルーンにも勢力を拡大している。

将官がイスラム過激派による待ち伏せ攻撃で戦死するのは、2021年11月のザルマ・ジルクス将軍以来。(c)AFP