【11月21日 東方新報】赤い提灯が青石畳の道に並び、中国結が風に揺れ、花びらを散りばめた赤いカーペットが資江の船着き場から古街の奥まで続いていた。16日、力強い太鼓が三度響き渡り、「湖南省(Hunan)第11回国潮集団結婚式」が婁底市(Loudi)新化県の上梅古鎮・向東街で始まった。伝統的な婚礼衣装をまとった100組の新郎新婦が赤いカーペットを進み、千年の歴史を持つ古街に見守られながら永遠の誓いを交わした。

迎えの儀式では、獅子舞が舞い、喜びを司る女性が五穀の福米を人びとに振りまき、ミャオ族やヤオ族の娘たちが華やかな民族衣装で迎客の歌を響かせた。古式ゆかしい儀式が次々と披露され、見物客は足を止めて喝采を送った。会場の細部にも工夫が凝らされ、龍と鳳凰が描かれた三通鼓や、二つの瓢箪を一つに合わせた合卺(ごうきん、旧式婚礼で新郎新婦が酒杯を取りかわすこと)の器、心を一つに結ぶ赤い紐など、随所に新郎新婦への祝福が込められていた。

「新郎新婦の幸せにあやかれて、本当にうれしいです!」。新郎新婦代表が繍球(しゅうきゅう)を親族へ投げると、受け取った市民の游(You)さんは、こうした集団婚礼はにぎやかで意味があると喜びを語った。

向東街は新化古城の中心に位置し、青い瓦と黒壁が明清以来の商業文化や伝統風情を今に伝えている。かつては建物の老朽化や設備の不備が問題となっていたが、近年、新化県は「保護を優先し、元の姿を残す」方針で古街の整備を進め、下水管網や照明の改善、無形文化遺産の体験施設や特色ある飲食店の誘致などを行い、静かだった古街に再び活気が戻った。現在の向東街には、老舗商店の素朴な味わいと、国潮スポットの華やかさが共存し、歴史と現代をつなぐ文化回廊となっている。

「国潮をテーマに、伝統的な中式婚礼と地元文化を融合させ、新郎新婦に忘れられない体験を届けたい」。新化県人民政府の劉志軍(Liu Zhijun)副県長はこう語る。上梅古鎮の歴史を生かし、婚礼文化と文旅産業を組み合わせて、「一つの儀式、一つの芸、一つの宴」という没入型の体験シーンを整え、「スイート経済」の発展につなげているという。

式の終盤には、100組の新郎新婦が揃って婚礼衣装で登壇し、婚礼文化の新しいあり方を提案する文書を読み上げ、親族に見守られながら愛の誓いを立てた。代表の新郎新婦は「簡素で節度ある婚礼」「文明を尊ぶ姿勢」「古い慣習に縛られない結婚観」「愛を大切に受け継ぐこと」などを呼びかけた。

近年、湖南省は婚礼文化の改革を進め、集団婚礼や婚俗文化の普及を通じて「婚礼は簡素に、文明に」という新しい風を広げている。文化の力を生かし、体験シーンを工夫し、公益と連動した新たな婚礼スタイルを構築することで、国潮スタイルの集団婚礼を日常的な文化として根付かせ、若者に健康で文明的、そして節度ある結婚観を持ってもらうことを目指している。

今回のイベントは湖南省民政庁と婁底市委・市政府が主催し、「政府主導・文化発信・全民参加」という新しい方式で行われた。伝統的な「三拝の礼」や「合卺の儀」を受け継ぎつつ、婚礼文化の新しい提案や、参加者がそろって古典を朗読するなど現代的な演出も取り入れ、新郎新婦に文明的で互いを尊重し合う結婚観の定着を促している。(c)東方新報/AFPBB News