米軍基地の復帰、国民投票で「反対」 エクアドル
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【11月17日 AFP】エクアドルで16日、外国軍基地の設置禁止を解除するかどうかを問う国民投票が行われ、開票約75%時点で「反対」が約60%となった。これは、米ドナルド・トランプ大統領寄りのダニエル・ノボア大統領にとって大きな政治的打撃となった。
太平洋岸マンタにある空軍基地への米軍復帰を事実上阻む結果となった。同基地はかつて米国の対麻薬作戦の拠点だった。
蔓延するカルテルの暴力に対処しようと、ノボア氏はトランプ氏との協力関係構築に政治的な命運をかけていた。米軍は最近、カリブ海や太平洋で麻薬密輸船に対する空爆を実施しており、国民投票はそうした状況の中で行われた。
国民投票ではこのほか、政党への公的資金提供の廃止、国会議員数の削減、新憲法を起草する選挙制の機関の創設についても問われた。
これまでの集計では、これらの提案も大差で否決されている。ノボア氏は「エクアドル国民の意思を尊重する」と述べ、結果を受け入れた。
新たな憲法が犯罪対策の強化、司法権の抑制、経済改革に向けた大統領権限の拡大につながると期待していたノボア氏にとって、この結果は大きな衝撃となった。世論調査ではすべての提案で「賛成」が上回ると予想されていた。ノボア氏の人気は依然として高く、2期目を開始したばかりだ。
しかし、国民投票の結果は、依然高水準の犯罪率への不安が続く中で支持に陰りが見え始めた可能性を示している。(c)AFP/Santiago PIEDRA SILVA