【11月17日 AFP】米メディアは16日、州兵数百人が米シカゴとポートランドから撤退を開始したと報じた。

ドナルド・トランプ米大統領は10月、不法移民取り締まりの一環として、テキサス州とカリフォルニア州から民主党が主導するこれら2都市に州兵を派遣。各都市の指導者らは「権威主義的な越権行為」として非難していた。

米紙ニューヨーク・タイムズは匿名の米当局者の話として、州外から各都市に派遣された200人の部隊が16日に撤退を開始したと伝えた。裁判が続いていたため州兵が街頭に展開することはかった。

イリノイ州の州兵約300人はシカゴに、オレゴン州の州兵100人はポートランドに残留する。

米北方司令部は14日、ポートランド、ロサンゼルス、シカゴの州兵について「配置を調整または適正化する」とX(旧ツイッター)で述べたが、詳細は明らかにしていなかった。

州兵は通常、州知事の管理下にあり、自然災害など国内の緊急事態に対応するために動員される。トランプ政権が他州の州兵を各地に派遣するのは異例だ。

連邦地裁は今月、トランプ政権による州兵のポートランド派遣を「違法」と判断し、米国憲法は連邦政府にそのような権限を付与していないとして、この動きを恒久的に阻止するよう命じた。(c)AFP