中国、日本渡航自粛呼び掛け 在日中国人の身体や生命の安全に「重大なリスク」
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【11月15日 AFP】中国外務省は14日、日本への渡航を控えるよう国民に注意喚起した。「日本の指導者らが台湾に関する露骨な挑発的発言」を行い、在日中国人の身体や生命の安全に「重大なリスク」をもたらしたためだと説明している。
高市早苗首相は7日の衆院予算委員会で、台湾有事をめぐって日本が集団的自衛権を行使できる「存立危機事態」に該当する具体例を問われ、「戦艦を使って武力の行使も伴うものであれば、どう考えても存立危機事態になりうるケースだと私は考える」と答弁した。
中国の薛剣駐大阪総領事は8日、X(旧ツイッター)で朝日新聞が投稿した記事「高市首相、台湾有事『存立危機事態になりうる』 認定なら武力行使も」を引用し、「勝手に突っ込んできたその汚い首は一瞬の躊躇(ちゅうちょ)もなく斬ってやるしかない。覚悟ができているのか」と投稿した。現在は削除されている。
高市氏の答弁をめぐり、中国は14日、日本の金杉憲治駐中国大使を呼び出して厳重に抗議したと発表。日本側も中国の呉江浩駐日大使を呼び出し、薛氏の投稿について、「極めて不適切な発信」と強く抗議した。
日本政府は14日、台湾に対する立場に変更はないと述べた。
在日中国大使館は14日夜、通信アプリ「微信(ウィーチャット)」で自国民に対し、日本への渡航を控えるよう注意喚起した。
「最近、日本の指導者らは台湾に関して露骨に挑発的な発言を行い、中日の人的交流の雰囲気を著しく悪化させ」、在日中国人の身体や生命の安全に「重大なリスク」をもたらしたと主張。
「外務省および在日中国大使館・領事館は、中国国民に対し、日本への渡航を当面控えるよう厳粛に勧告する」と付け加えた。
中国政府は、1945年まで日本統治下にあった台湾を自国領土の一部とみなし、統一のためには武力行使も辞さない構えを示している。(c)AFP