オーストリア鉄道会社、中国製列車を投入 国内で批判も
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【11月13日 AFP】オーストリアの列車運行会社ウェストバーンは12日、欧州連合(EU)で初めて中国製列車を長距離定期便に投入した。この措置は国内で批判を巻き起こしている。
ウェストバーンの広報はAFPに対し、中国中車(CRRC)製の2階建て列車4編成のうち最初の1編成が12日、ウィーン・ザルツブルク間で運行を開始したと述べた。
残る3編成も、今後数週間以内に同区間で運行を開始する予定だという。
ウェストバーンは中国製列車の投入について、EUの欧州鉄道機関(ERA)などから必要な許可を得ているという。
ウェストバーンは2019年にCRRCに列車を発注し、2022年からオーストリアで試験運行を実施してきた。
オーストリアのペーター・ハンケ・イノベーション・交通・インフラ担当相は先週の声明で、中国製列車の購入を批判。「オーストリアと欧州の重要インフラ」を守らなければならないとして、「わが国の交通手段を第三国に依存させてはならない」と訴えた。
ウェストバーンは、数少ない欧州の鉄道車両メーカーは「今後数年間は予約がいっぱい」だとして、こうした「市場の失敗」により欧州外から列車を調達せざるを得ないと説明している。
先週の声明で、「(欧州で)今すぐ列車を購入したい場合、選択肢が非常に限られている。競争が制限されているため何年も待たされ、法外な金額を支払わなければならない」と述べ、乗客がその代償を支払っていると付け加えた。
ウェストバーンによると、既にチェコでCRRC製の近郊型・地域型旅客列車、ハンガリーでCRRC製の貨物列車が運行されている。
ウェストバーンは19編成の列車を保有。昨年は900万人の乗客を輸送した。(c)AFP