【11月13日 AFP】米下院監視・政府改革委員会の民主党議員団は12日、少女らへの性的人身取引の罪で起訴され勾留中に自殺した富豪ジェフリー・エプスタイン元被告の電子メール3通を公開した。エプスタイン元被告の自宅でドナルド・トランプ大統領が被害者の一人と「何時間も」過ごしたと記されたメールが含まれている。

トランプ氏は、元友人による性的人身取引について一切知らなかったと繰り返しており、メール3通の公開について民主党が自らの失敗から「目をそらそうとしている」と非難している。

だが、民主党議員団は、メール3通は「ドナルド・トランプ氏がエプスタイン元被告の恐ろしい犯罪について知っていたのではないかという深刻な疑問を提起するものだ」と述べた。

エプスタイン元被告は2011年4月に側近で元恋人のギレーヌ・マクスウェル受刑者に宛てたメールの中で、トランプ氏がエプスタイン元被告の主要な告発者の一人、バージニア・ジュフリーさんと多くの時間を一緒に過ごしていたと主張。

「ほえないあの犬こそトランプ氏だということを理解してほしい」「(ジュフリーさんは)は私の家で何時間も彼(トランプ氏)と過ごしたのに、彼の名前は一度も挙がったことがない」と述べた。

これに対しマクスウェル受刑者は、「私もそう考えていた」と返信した。

さらにエプスタイン氏は2019年1月31日付のマイケル・ウォルフ氏宛のメールでは、トランプ氏が20年前にエプスタイン元被告を「変質者」として、自身のプライベートクラブ「マールアラーゴ」から追放した件に言及し、「トランプ氏は退会を求めてきたが、私は会員になったことはない。もちろん、彼がギレーヌ(・マクスウェル受刑者)にやめるように言ったのだから、あの少女たちのことを知っていたはずだ」と記したとされる。

エプスタイン元被告をめぐる騒動は、司法省が事件終結を目指してから4か月以上が経過した今も、トランプ政権を揺るがし続けている。

この騒動を機に、下院民主党はエプスタイン事件の全ファイル公表を義務付ける採決を強行しようとしている。(c)AFP