2015年パリ同時襲撃事件、実行犯に関連するテロ捜査で3人を拘束
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【11月9日 AFP】フランス当局は8日、2015年11月13日に発生したパリ同時襲撃事件の唯一生存する実行犯、サラ・アブデスラム受刑者に関連するテロ脅威の捜査で、3人が拘束されたと発表した。
犯行に関与し、仏北部バンダンルビエイユ刑務所に収監されているアブデスラム受刑者は、今年1月に開始された刑務所内でのUSBメモリ不法所持に関する捜査で、尋問を受けた。
テロ対策検察(PNAT)は8日、個人に対する犯罪準備のためのテロ共謀罪を含むよう捜査を「拡大」したと発表。アブデスラム受刑者は不正物品の隠匿が疑われている。
4日には別の一人が拘束されており、96時間の拘束期限が24時間延長されている。
フランス国内の法律では、「フランス国内外でのテロ行為の差し迫った危険がある場合」や「国際協力の必要性がある場合」に、拘束期間を96時間以上に延長することが認められている。
民放RTLラジオによると、4日に拘束されたのはアブデスラム受刑者のパートナーで、日刊紙パリジャンは女をマエバ・Bと報じている。女はアブデスラム受刑者と長期にわたる文通を続け、面会を許可されたという。
PNATは、女が「収監者への不正物品の受け渡し」と「テロリスト共謀罪」で拘束されていると発表している。またPNATは、7日に「さらに2人がテロリスト共謀罪で拘束された」としている。
刑務所の関係者によると、アブデスラム受刑者が授業参加のために使用を「非常に限定された範囲で」許可されていたコンピューターに「USBメモリの接続履歴が見つかった」という。
パリジャンは、USBメモリはジハード(聖戦)主義のプロパガンダをアブデスラム受刑者のコンピューターに転送するために使用されたと報じている。
刑務所関係者は、アブデスラム受刑者に対して「定期的な独房の変更」や「所持品の徹底的な検査」といった特別な監視体制が敷かれていることも明らかにしたが、USBメモリは捜索で見つからなかったという。
ジハード主義の武装犯と自爆犯は、コンサートホール「バタクラン」やスタッド・ド・フランス、バーやレストランを襲撃し、130人が死亡、約350人が負傷した。事件は13日で10年を迎え、犠牲者と被害者には哀悼の意がささげられる。(c)AFP