【10月23日 AFP】米大リーグ(MLB)の頂点を決するワールドシリーズ(WS)が24日、カナダのトロントで開幕。連覇を目指すロサンゼルス・ドジャースと32年ぶりの戴冠を狙うトロント・ブルージェイズが激突する。

レギュラーシーズンの成績ではブルージェイズがドジャースを上回ったが、「大本命」は、大谷翔平を筆頭にスター選手が揃ったドジャースだ。

大谷は、17日に行われたミルウォーキー・ブルワーズとのナ・リーグ優勝決定シリーズ(NLCS)第4戦で、3本塁打を放ち10個の三振を奪ってシリーズ最優秀選手(MVP)に選出された。

この圧巻の活躍は、大谷が投打二刀流で卓越した才能を持つ「ユニコーン」として、野球界の偉人たちの中でも唯一無二の存在であることを改めて証明した。

大谷に加え、打撃陣には元MVPのムーキー・ベッツとフレディー・フリーマンが名を連ね、マウンドでは、ブレイク・スネル、山本由伸、タイラー・グラスノーの先発ローテーションが、大谷とともに相手打線を封じてきた。ドジャースは、プレーオフ以降、圧倒的な強さを見せている。

ニューヨーク・ヤンキースのアイコン的存在で、米国野球殿堂入りを果たしたデレク・ジーター氏は「トロント・ブルージェイズは非常に奥深いチーム。しかし、ロサンゼルス・ドジャースは巨大な存在だ。ドジャースは私が今まで見てきた中で最高だ」と語った。

ブルージェイズのジョン・シュナイダー監督は、ドジャースの強さを認めながらも、「目標を達成するには、最高の相手に勝たなければならない」と述べた。

「最高の2チームが残っていると本当に思っている。我々は立ち向かうだろう」と語り自信を示した。

ワールドシリーズの国境を越えた対戦は、ドナルド・トランプ米大統領が、カナダに対して「米国の51番目の州になるべきだ」と発言した後の開催となり、両国の地政学的関係が緊張している時期に重なる。

シュナイダー氏は、このシリーズが政治的に「カナダ対米国」のスポーツ対決になる可能性について問われ、「国全体が私たちを応援していることは知っている。しかし、それがどのように展開するかは、よく分からない」と述べた。(c)AFP