イスラエル、ヨルダン川西岸併合に一歩前進 米副大統領訪問中
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【10月23日 AFP】イスラエル国会(クネセト、120議席)は22日、占領するパレスチナ自治区ヨルダン川西岸の併合に関する二つの法案について第1読会の採決を行い可決した。ヨルダン川西岸併合の野望はここ数か月、極右閣僚らが公然と推進してきたものだ。
採決は、ドナルド・トランプ米大統領が仲介したパレスチナ自治区ガザ地区の停戦を強化するため、J・D・バンス米副大統領がイスラエルを訪問中に行われた。トランプ氏はヨルダン川西岸の併合を認めないと明言している。
トランプ氏は9月、ホワイトハウスで記者団に対し、「イスラエルによるヨルダン川西岸の併合は許さない。そんなことは起こらない」と述べた。
イスラエルメディアによると、ベンヤミン・ネタニヤフ首相は自身が率いる右派政党「リクード」の議員に対し、投票を棄権するよう呼び掛けた。
リクードは声明で今回の採決について、「米国との関係を損なうことを狙った野党による新たな挑発行為だ」と非難。
「真の主権は、記録に残る派手な法律ではなく、現場での適切な取り組みによって達成される」と付け加えた。
二つの法案は第1読会で可決されたことにより、第2読会で審議されることになる。
一つ目の法案は、エルサレムの東にあるイスラエル人入植地マーレアドゥミム(人口約4万人)の併合を提案するもので、賛成32、反対9で可決された。
二つ目の法案は、ヨルダン川西岸全域の併合を提案するもので、賛成25、反対24で可決された。
ネタニヤフ内閣の極右閣僚は、イスラエルが1967年以来占領しているパレスチナ領の併合を公然と要求している。
極右ベツァレル・スモトリッチ財務相はX(旧ツイッター)に、「首相閣下。クネセト(イスラエル議会)は声を上げた。国民も声を上げた」と投稿。
「祖先の遺産であるユダヤ・サマリア(イスラエルが1967年以降占領しているヨルダン川西岸の一部地域を指す呼称)全土に完全な主権を行使し、隣人との平和と引き換えに力で和平協定を推進する時が来た」と訴えた。(c)AFP