【10月23日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領がウクライナ情勢をめぐる交渉において「誠実かつ率直」ではないと判断し、ロシアに対する制裁を強化し、これまでで最大規模の制裁とする。スコット・ベセント米国財務長官が22日、明らかにした。

ベセント財務長官は、ハンガリーの首都ブダペストで予定されていた米ロ首脳会談が棚上げされた翌日に制裁強化を発表し、トランプ氏はロシアとの停戦交渉の進展に「失望している」と付け加えた。

ベセント氏はホワイトハウスで記者団に対し、「本日午後の取引終了後か、あすの朝一番に、対ロシア制裁の大幅な強化を発表する」と述べた。

ベセント氏はその後、FOXビジネスに対し、制裁強化について「ロシアに対して実施した中で最大規模の制裁となるだろう」と語った。

トランプ氏は、プーチン氏への不満を募らせていたにもかかわらず、同氏に和平を促したいとして数か月にわたって制裁強化を控えてきた。

だが、トランプ氏は、16日にプーチン氏と電話会談してから6日間で堪忍袋の緒が切れたようだ。

ベセント氏はFOXビジネスに対し、「プーチン大統領は、われわれが期待していたように、誠実かつ率直な態度で交渉のテーブルに着いてくれなかった」と語った。

さらに、両首脳が8月に米アラスカで会談した際、「トランプ大統領は事態が進展していないと悟ると、席を立った」「水面下で協議は行われてきたが、トランプ大統領は協議の現状に失望していると思う」とも述べた。

ベセント氏は、制裁の詳細については、正式に発表されるまで詳細は明らかにしないと述べた。AFPは本件についてホワイトハウスにコメントを求めたが回答を得られていない。

欧州連合(EU)も22日、ロシアに対する制裁を強化すると発表した。

これには2027年までのロシア産液化天然ガス(LNG)の輸入禁止、ロシアが使用する石油タンカーのブラックリスト掲載、ロシア外交官の渡航制限などが含まれる。(c)AFP