アイスランドで初めて蚊を確認 研究者は温暖化との関係疑問視
このニュースをシェア
【10月22日 AFP】アイスランドで初めて蚊が発見された。研究者が20日、これまで蚊がいない地域の一つとされてきたこの島国での発見についてAFPに語った。
アイスランド自然科学研究所の昆虫学者マティアス・アルフレッドソン氏によると、首都レイキャビクの北約30キロの場所で「クーリセタ・アニュラータ(Culiseta annulata)」3匹(雌2匹と雄1匹)が確認された。
南極と同様に、アイスランドは長い間、蚊が生息しない数少ない地域の一つだった。
アルフレッドソン氏はAFPへのメールで、蛾を引き寄せるために設置されたワインロープ(砂糖を加えた加熱ワインにロープや布を浸して屋外につるす仕掛け)で収集されたことを明らかにした。
「アイスランドの自然環境で蚊が確認されたのは初めて。何年も前にケプラビーク空港で飛行機から採集された『アエデス・ニグリペス(Aedes nigripes)』の標本が1体だけあった」と述べ、「残念ながら、その標本は失われている」と付け加えた。
蚊の侵入経路については、「最近、船やコンテナを通じて国内に持ち込まれた可能性もある」と指摘したが、さらなる拡散を確認するには春の追加調査が必要だとした。
気候変動による気温上昇や夏の長期化、冬の温暖化は、蚊が繁殖しやすい環境を作り出す。しかし、アルフレッドソン氏は、今回の発見を温暖化の影響とは考えていない。
この種は「寒冷な気候に非常によく適応しているようだ」とし、「気温が氷点下に下がる長く厳しい冬を耐え抜くことができる」と指摘した。
また、「多様な繁殖環境が、アイスランドの厳しい自然条件下での生存能力をさらに高めている」とも語った。(c)AFP