【10月21日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領は20日、ホワイトハウスでテーブルを挟んで向かい合って座った駐米オーストラリア大使で元首相のケビン・ラッド氏に対し、軽蔑の念を示した。

トランプ氏と側近らはオーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相と会談しており、友好的な雰囲気の中、潜水艦に関する合意を確認していた。

ラッド氏が以前、トランプ氏を批判したことについてどう感じるかと記者に尋ねられたトランプ氏は、「彼は謝りたいかもしれない」と答えた。

トランプ氏は隣にいるアルバニージー氏に向かって、「彼はどこにいる?まだ君のために働いているのか?」と話しかけた。

アルバニージー氏はぎこちなく笑いながら、目の前に座っているラッド氏を示した。

ラッド氏が「それは私がこのポストに就く前のことです、大統領」と話し始めると、トランプ氏は彼の話を遮り、「私も君が好きじゃない。好きじゃない。そしておそらくこれからも好きにはならないだろう」と言い放った。

両国の関係者らは笑い、別の記者がすぐに質問を切り替えた。

元首相であるラッド氏は、トランプ氏が大統領職を離れていた間、ソーシャルメディアでトランプ氏を厳しく批判していた。

ラッド氏は、2020年の大統領選でトランプ氏が敗北した後に支持者が米連邦議会議事堂を襲撃したことをめぐり、トランプ氏を「歴史上最も破壊的な大統領」、「西洋の裏切り者」と呼び、「米国と民主主義を泥沼に引きずり込む」と非難した。

トランプ氏がホワイトハウスに戻った後、ラッド氏はそのコメントを削除した。

中国語を話す元外交官であるラッド氏は、ジョー・バイデン大統領時代に大使に任命され、オーストラリアは彼の中国に関する専門知識がワシントンでの影響力を高めることを期待していた。

昨年の選挙期間中、トランプ氏は英国の極右政治家ナイジェル・ファラージ氏とのインタビューでラッド氏を「嫌な奴」と呼び、大使として長くは続かないだろうと述べた。(c)AFP