【10月20日 AFP】インドの首都ニューデリーは20日、世界保健機関(WHO)が推奨する1日当たりの最大値を16倍以上上回る濃い有毒スモッグに覆われた。

3000万人以上が暮らすニューデリーおよびその都市圏は、冬になるたびに刺激臭のある煙霧が空を覆い、世界で最も大気汚染が深刻な都市の一つとして知られている。

野焼きや工場、自動車などから出る排出物が、上空の冷たい空気により地表近くに閉じ込められることで、有害物質が滞留しやすくなる。

現在、ヒンドゥー教の光の祭典「ディワリ」が行われており、数日にわたる花火の煙が汚染に拍車をかけている。ディワリは20日夜に最高潮を迎える。

インド最高裁は今月、ディワリ期間中の花火の全面禁止を一部緩和し、粒子の排出が少ない「グリーン花火」の使用を認めた。禁止令は過去数年にわたり広く無視されてきた。

監視機関IQAirによると、20日、市内の一部地域でPM2.5(血流にも入り込む微小粒子状物質)の濃度が1立方メートル当たり248マイクログラムに達した。

専門誌「ランセット・プラネタリー・ヘルス」に昨年掲載された研究によると、2009~2019年の間にインドでは大気汚染が原因で推計380万人が死亡したという。(c)AFP