JTBCバラエティ番組「冷蔵庫をお願い」の放送画面(c)news1
JTBCバラエティ番組「冷蔵庫をお願い」の放送画面(c)news1

【10月20日 KOREA WAVE】韓国のイ・ジェミョン(李在明)大統領と妻キム・ヘギョン(金恵景)氏が出演したJTBCのバラエティ番組「冷蔵庫をお願い」のYouTube映像から、約1万2000件のコメントが削除されたことが判明した。この事態をめぐり波紋が広がるなか、Googleコリアは「政府からの削除要請は一切なかった」と明言した。

この問題は、10月14日に開かれた国会科学技術情報放送通信委員会の国政監査で、保守系野党「国民の力」のチェ・ヒョンドゥ議員が取り上げた。チェ議員は「大統領夫妻が出演した番組のコメントが大量に削除されたが、国民の多様な意見が消えた理由は何か」と追及。さらに、この放送が国家情報資源管理院での火災による行政システムの麻痺と同時期だったことに対しても疑問を呈した。

これに対し、Googleコリアのファン・ソンヘ対外協力政策副社長は「政府側から削除を求められたケースは1件もない。当社ではスパム、繰り返しの投稿、暴力的な表現など、コミュニティガイドラインに違反するコメントを自動的に削除する。大量削除に見えるのは、この自動化システムによるもの」と説明した。また、「チャンネル管理者にもコメント管理の権限があり、必要に応じて削除することができる」と補足した。

大統領夫妻は、韓国料理の国際的な魅力をアピールする目的で、9月28日に「冷蔵庫をお願い」の収録に参加し、10月6日に放送された。番組内では外国人ゲストと共に韓食を味わい、同回は歴代最高視聴率を記録するなど大きな反響を呼んだ。

しかし、同番組の放送と前後して国家情報資源管理院の火災により行政システムが一時的に麻痺し、担当公務員が死亡した状況を踏まえ、野党は「大統領の姿勢に問題がある」と強く非難。JTBCの公式YouTubeチャンネルには批判的なコメントが多数寄せられていた。

この件についてJTBC側は「コメントを人為的に削除した事実はない」と否定し、Googleコリアも改めて「政府の関与はなかった」と断言することで、今回の騒動は一応の収束を迎えた形となった。

(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News