人影まばらな北朝鮮リゾート地…金正恩総書記「肝いり」観光地、迎えた苦境と未来予想
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【10月19日 KOREA WAVE】北朝鮮が約10年をかけて整備した「元山葛麻海岸観光地区」が、2025年7月の開業からわずか数カ月で事実上シーズンを終えた可能性がある。専門家の間では、今後この地域を南側の金剛山観光地帯と結ぶ形で再開発する動きが進むとの見方も出ている。
韓国の衛星画像分析会社「SIアナリティクス(SIA)」によると、7月1日に開業した葛麻地区は8月に観光客数がピークを迎えたが、9月以降急減した。SIAの報告書は「9月中、海岸や明沙十里劇場、野外ステージなど主要施設で人の動きがほとんど確認されなかった。海岸に並んでいたモーターボートが姿を消し、船台も撤去され、清掃車の稼働も止まった」と分析した。
また、かつて最も賑わい、朝鮮中央テレビにも頻繁に登場した「明沙十里ウォーターパーク」にも、9月以降は人影が全く見られなかったという。
北朝鮮は7月1日に同地区の開業を宣言したが、同月18日、「外国人観光客の受け入れを一時停止する」と公表し、国内観光のみを許可した。当初、外貨獲得を目的に外国人誘致を目指していた方針を転換した背景には▽年初に羅先地域を訪れた外国人観光客による「劣悪な環境」などの体験談が外部に広まったこと▽新型コロナ再拡大による防疫への懸念――などが複合的に影響したとみられる。
SIAは、観光客を呼び戻すためには基本的なインフラの整備が不可欠だと指摘。その上で、今後,元山葛麻地区が金剛山観光地帯と連携する形で開発される可能性が高いと分析した。
報告書によると、北朝鮮当局は葛麻地区南端の「明沙十里総合病院」をわずか1カ月半でほぼ倍の規模に拡張したほか、9月からは新たな鉄道駅の建設にも多くの労働力を投入している。
同社は「北朝鮮は今冬も国内観光客の誘致を目指し、リゾート機能の強化を続けるだろう」と予測した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News