【10月18日 AFP】イスラム組織ハマスは17日、イスラエル側にもう1人の人質の遺体を引き渡した。ハマス側は、パレスチナ自治区ガザ地区のがれきの下に残され、依然として行方不明となっている人質の遺体すべての返還に尽力すると述べている。

イスラエル首相府は「赤十字を通じて返還された、死亡した人質のひつぎを受け取った」と声明で発表。ひつぎはガザでイスラエル治安部隊に引き渡され、イスラエル国内の医療分析センターで身元確認が行われる予定となっている。

ドナルド・トランプ米大統領が主導した停戦合意の下、ハマスはこれまでに生存していた20人の人質全員と、死亡が確認された28人中9人の遺体を返還していた。

イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は16日、「すべての人質の帰還を確保する」との決意を改めて表明しており、イスラエル・カッツ国防相は、ハマスが合意を履行しない場合、軍事作戦を再開すると警告している。

これに対してハマス幹部のガジ・ハマド氏は17日、「そのような脅しは受け入れられない圧力戦術だ」と反発を示した。

ハマド氏は「遺体の問題は複雑で時間を要する。占領によりガザの地形が変わってしまったからだ」としつつ、「われわれは遺体を返還し、約束通り合意を守る」と続けた。

トルコは遺体の収容支援のため専門チームを派遣したものの、17日時点でイスラエルからの入域許可を待っている状態となっている。ハマス筋によれば、トルコの専門チームは19日までに入域する見通しだという。

ハマスの管轄下にあるガザの民間防衛機関によると、停戦発効後、がれきの下から280体以上の遺体が収容されている。(c)AFP