【10月16日 AFP】ロシア大統領府(クレムリン)は15日、2008年南オセチア紛争開始以降に同国が犯したとされる違反行為をめぐり、欧州人権裁判所が約2億5300万ユーロ(約445億円)の支払いを命じた判決には従わないと述べた。

ジョージア(グルジア)は2008年、独立を主張する南オセチアに軍事侵攻し、介入したロシア軍と衝突した。

ジョージア政府によると、ロシアはその後、ジョージア北部と西部の約5分の1を占領し、かいらい政権を樹立してジョージア系住民の南オセチア帰還を阻止。学校でのジョージア語教育も妨害しているという。

欧州人権裁判所(ECHR)は14日、ジョージアの訴えを認め、ロシアに対し2億5300万ユーロの賠償金の支払いを命じた。

だがクレムリンのドミトリー・ペスコフ報道官は、「われわれは判決に従わない」と述べた。

ロシアは2022年のウクライナ侵攻後、欧州人権条約(ECHR)を含む欧州評議会から脱退したが、ECHRは、脱退以前に犯した違反行為については依然として管轄権を有するとしている。

ロシアは、欧州評議会加盟国であった時期も含め、ECHRの判決を繰り返し無視している。

ジョージアは2008年南オセチア紛争後、ロシアと断交したが、近年、関係改善に向けた措置を非公式に講じている。この措置はジョージアの野党に強く批判されている。

15日、賠償金の未払いが外交関係の改善に影響を与えるかと問われると、ペスコフ氏はその二つは「別の問題」だと答えた。

ロシアは、ジョージアからの独立を宣言したアブハジア自治共和国と南オセチアを独立国として承認しているが、世界の大半はこれらをジョージア領の一部と認識している。(c)AFP