【10月9日 AFP】米シカゴで開催が予定されていた、サッカー国際親善試合のアルゼンチン代表対プエルトリコ代表の一戦が、移民取り締まりによる市内の混乱を受けてフロリダ州に場所を移すことになった。8日、主催者が発表した。

試合は当初、13日にイリノイ州シカゴのソルジャー・フィールドで行われる予定だったが、翌14日にフロリダ州フォートローダーデールのチェース・スタジアムで開催されることが決まった。同スタジアムは、アルゼンチン代表のリオネル・メッシが所属する、米メジャーリーグサッカー(MLS)のインテル・マイアミの本拠地となっている。

シカゴは、民主党が主導権を握るイリノイ州最大の都市で、全米で3番目に大きな都市でもある。ドナルド・トランプ米大統領による、数百万人の移民の強制送還を目指す強硬な政策に対して同市は抵抗しており、人権侵害の疑いと多数の訴訟を招いている。

トランプ氏は8日、移民・税関執行局(ICE)の職員に協力しないイリノイ州の民主党関係者を収監するよう求めた。

地元当局は、抗議活動への対応には市および州の法執行機関で十分だと主張しているが、トランプ氏は連邦職員の安全確保には軍隊が必要だと述べており、批判者からは権威主義化への懸念が高まっている。

来年、米国はメキシコ・カナダとの共催でサッカーW杯北中米大会の開催を控えており、トランプ氏はファンに対して「円滑な体験」を約束している。

一方で、大半の試合が米国内で予定されている中、トランプ氏はすでに、安全上のリスクがあると見なす都市から試合を移すことを示唆している。(c)AFP