【10月2日 東方新報】中国の宅配大手による料金値上げの動きが全国に広がっている。上海市のEC事業者が9月下旬に、多くの宅配会社から料金改定の通知を受け取ったのを皮切りに、各地で同様の動きが続いている。

上場している宅配4社の8月業績によれば、荷物1件あたりの収入(単票収入)は上昇傾向にある。円通(YTO Express)は2.15元(約44円)、韻達(Yunda Express)は1.92元(約40円)、申通快递(STO Express)は2.06元(約43円)、順豊控股(SF Holding)は13.27元(約277円)で、特に加盟制の大手3社は7月から収入が増えた。背景には、業界が7月末から打ち出した「反内巻き(過当競争の是正)」方針がある。国家郵政局が開催した座談会で、主要企業が「低価格競争を避け、公平な競争秩序を守る」ことを確認。その後、地方の宅配業界団体も相次いで値上げを支持した。8月以降、広東省(Guangdong)、浙江省(Zhejiang)、江蘇省(Jiangsu)などで値上げが始まり、東北や華中、上海へと波及した。ただし、一般消費者の個別利用料金には影響が出ていない。

一方で、民航業界でも「チケット内巻き(過度な値下げ競争)」が問題となっている。7月初旬、民航局はテレビ会議を開き、航空会社による「低価格乱戦」や「運力の過剰投入」が利益を圧迫している状況を指摘。市場価格のルール作りや監視強化を掲げ、コストを下回るような運賃競争の防止を打ち出した。

しかし、約2か月経った現在でも航空券の価格に大きな上昇は見られない。7〜8月の夏の繁忙期においても、国内線エコノミークラスの平均運賃は2024年比で6.4%下落、2019年比でも8.6%下がった。

複数の航空会社によれば、民航局は各社からコストデータを収集し、どの水準を「コスト割れ」と見なすか基準作りを進めているという。ただし現状では、一部の航空会社が深夜や週末に極端に安いチケットを放出する動きが続いており、対抗上、他社も値下げを迫られるという「値下げ連鎖」が起きやすい。

宅配業界と異なり、民航は65社が国内市場を分け合い、しかも運力過剰や高速鉄道の競合という環境にある。このため、値下げ圧力を抑えるのは容易ではない。業界関係者からは「退出メカニズムの整備が必要だ」との声も出ている。海外では経営不振で破綻する航空会社があるが、中国ではライセンスの価値が高く、地方政府や資本が支援することで存続するケースが多い。青島航空(Qingdao Airlines)や瑞麗航空(Ruili Airlines)、龍江航空(LJ Air)などがその例だ。

今後、国内航空会社にとって、従来の規模拡大路線は限界を迎えている。価格競争から脱し、個人の多様なニーズに応える商品設計やサービス革新が求められている。(c)東方新報/AFPBB News