ハン・ソンスク(韓聖淑)中小ベンチャー企業相=中小ベンチャー企業省提供(c)news1
ハン・ソンスク(韓聖淑)中小ベンチャー企業相=中小ベンチャー企業省提供(c)news1

【10月02日 KOREA WAVE】韓国政府が掲げる最大の国政課題の一つは人工知能(AI)だ。米中が先導する世界的な競争の中で、韓国は「AIの3大強国入り」を目標に定めた。AIの波は大企業だけでなく、中小企業にも避けて通れない課題だ。

韓国済州島で9月開催された「2025中小企業リーダーズフォーラム」には全国の経営者約400人が集まり、AI大転換や少子高齢化対応などを議論した。基調講演でハン・ソンスク(韓聖淑)中小ベンチャー企業相は「中小製造業がAIを導入した結果、品質と納期順守が改善された。スマート製造革新はもはや先送りできない」と力を込めた。

ただ、ハン・ソンスク氏が記者団との懇談で強調したのは「最大の障害は技術ではなく経営者の決心だ」という点だった。韓国中小企業のスマート工場導入率は19.5%にとどまり、多くの経営者が「果たして役立つのか」と疑念を抱き、一歩を踏み出せずにいる。

現場の声も同じだ。必要性には共感しつつも、初期投資の負担や失敗リスクへの恐怖が導入を阻む。会社の存続を背負う経営者にとって、不確実な変化は大きなリスクだからだ。

しかし成功事例もある。釜山の基盤産業企業「東亜プレーティング」はスマート工場と自動化を導入し、生産職を研究職へ再配置した。その結果、不良率は77%減、生産性は37%向上。従業員の8割以上が20~30代で、中小企業の新たな可能性を示している。

AIとスマート工場はもはや生存の条件であり、同時に成長のチャンスでもある。巨大なAIの波の前で立ちすくむのではなく、その波を乗り越え新たな高みに挑む勇気と決心が、いま中小企業の経営者に求められている。【news1 イ・ジェサン記者】

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