【9月27日 AFP】イランは、欧米との核協議が行き詰まったことを受け、28日に10年ぶりとなる包括的な国連制裁の対象となる見通しとなった。土壇場の打開策がない限り、制裁は発効される。

国際原子力機関(IAEA)は26日、査察官がイラン国内の施設に戻ることが許可されたとしたものの、欧米諸国はこれを不十分とし、1週間にわたる国連総会での高官外交を経ても延期で合意に至らなかった。

欧州諸国は、イランが核計画について説明責任を果たしていないと非難し、1か月前に「スナップバック」の手続きを開始していた。

制裁はグリニッジ標準時(GMT)29日午前0時(日本時間同日午前9時)に発行する予定で、イランの核計画や弾道ミサイルの開発に関与している企業、個人、団体との取り引きが世界的に禁止される措置が講じられる。

一方でイランは、英国、フランス、ドイツの3か国(E3)の大使を召還した。国営テレビは、E3が制裁復活の手続きを開始したことを受けてのものだと報じている。

イランのマスード・ペゼシュキアン大統領は自身の見解として、イスラエルと米国が圧力をかけてイラン倒そうとしている状況で、合意に至る理由はないと述べた。また、イランが核兵器を追求することは決してないと改めて強調している。

イランに新たな経済的圧力をかける目的の制裁だが、すべての国がこれを履行するかは不透明となっている。

ロシアと中国は26日、安全保障理事会で制裁発動を来年4月まで延期するよう求めていたが、必要な票数を得られなかった。

ロシアのドミトリー・ポリャンスキー国連副大使は、政府が制裁の再発動を「無効」と見なしていると述べた。また、すでにイランに対して単独の制裁を課している米国は、他国にもイラン産原油の購入停止を求めているが、中国企業はこれに従っていない。(c)AFP