【9月26日 AFP】デンマークは25日、今週国内の複数の空港上空で目撃された無人機について、恐怖をあおる「ハイブリッド攻撃」の一環だとの見解を示し、こうした無人機を迎撃するための新たな能力を獲得すると述べた。ロシアは本件への関与を否定している。

警察によると、無人機が目撃された空港の一つは一時閉鎖された。これに先立ち今週、首都コペンハーゲンの空港上空でも無人機が目撃され、一時閉鎖された。

無人機はノルウェーでも目撃されている他、ポーランドとルーマニアでは無人機が領空侵犯、エストニアではロシア戦闘機による領空侵犯が起きるなど、ロシアによるウクライナ侵攻が続く中、緊張が高まっている。

メッテ・フレデリクセン首相はソーシャルメディアに投稿したビデオメッセージで、「ここ数日、デンマークはハイブリッド攻撃の被害を受けている」と述べた。ハイブリッド攻撃とは、正規戦、非正規戦の手段が入り交じる非正規戦の新たな形態。

フレデリクセン氏は、こうした無人機の飛行が「増加する可能性がある」と警告した。

捜査当局は、今のところ無人機を飛ばした容疑者を特定できていないと述べているが、フレデリクセン氏は「欧州の安全保障にとって脅威となる主要な国は一つ、ロシアだ」と強調した。

ロシアは25日、デンマークでの事件への関与を「断固として否定する」と述べた。在デンマーク・ロシア大使館は、ソーシャルメディアへの投稿で、これらの事件を「仕組まれた挑発行為」と呼んだ。

デンマークのピーター・ホメルゴー法相はこれに先立ち、今回の攻撃の目的は「恐怖を広め、分断を生み出し、われわれを脅かすこと」だと指摘。

無人機を「探知」して「無力化」するための新たな能力を取得する予定だと付け加えた。(c)AFP