極右には愛国心で対抗 英首相、リベラル派に呼び掛け
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【9月26日 AFP】英国のキア・スターマー首相は26日、中道左派指導者が集まる世界進歩派行動会議で、愛国心こそが、極右政治家と関連付けられることの多い「不満政治」を打ち破るのに愛国心が役立つと訴える。
ロンドンで開催されるこの会議には、オーストラリアのアンソニー・アルバニージー首相、カナダのマーク・カーニー首相、デンマークのメッテ・フレデリクセン首相ら、世界の指導者が参加する予定。
与党・労働党が公表した演説原稿の抜粋によると、スターマー氏は、左派議員は制御不能な移民問題に取り組まなければならないとも訴える。
スターマー氏は、「これは現代を決定づける政治的選択だ。労働者の問題を食い物にする略奪的な不満政治、あるいは愛国心刷新の政治」だと述べる。
スターマー氏率いる労働党は昨年7月の総選挙で圧勝して以来、反移民を掲げる政党「リフォームUK」に全国世論調査の政党支持率で後れを取っている。
スターマー氏の演説では、英国の欧州連合(EU)離脱(ブレグジット)を主導したナイジェル・ファラージ党首率いるリフォームUKが示すものよりも楽観的な未来像を提示しようとする。
この演説は、ドナルド・トランプ米大統領が国連総会で、不法移民が欧州諸国を「地獄」に変えていると発言した週の終わりに行われる。
トランプ氏を支持するファラージ氏は、英国が「壊されている」と繰り返し主張しており、スターマー氏は支持率回復を目指す中で、ファラージ氏を非愛国的だと非難し始めている。
スターマー氏は、「愛国心の刷新」は「地域社会に根ざし、より良い国を築く。れんがを一つずつ、下から積み上げていく。国の歴史に関わるすべての人々を含めて」と述べる。
さらに、「同じ旗の下にも違いがある」と付け加える。これは、イングランドの旗と英国の国旗を掲げる最近のトレンド、つまり一部の民族集団を動揺させている愛国心の表れに言及するものだ。
スターマー氏は、極右活動家トミー・ロビンソン氏が主催した反イスラム・反移民デモ「ユナイト・ザ・キングダム(王国を一つに)」にも言及する。このデモで米実業家イーロン・マスク氏は15万人の群衆に対し、「暴力が迫っている」と訴えた。
スターマー氏は世界進歩派行動会議で、「今や、歴史家でなくても、こうした毒がどこへ導くかは分かる。ただ感じ取ることができる。それは、むき出しの脅迫めいた言葉だ」と述べる。
また、不法移民対策としてデジタルIDカードを導入すると発表する。
「外国人労働者を搾取し、公正な賃金を引き下げる労働力に頼るのは、思いやりのある左翼政治ではない」と述べ、「すべての国が自国の国境を管理する必要がある」と付け加える。(c)AFP