中国、多角的施策で世界のEコマースの協力を促進
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【10月2日 People’s Daily】東南アジアのドライフルーツ、アフリカのコーヒー、ヨーロッパの紅茶など、クロスボーダーEコマースの急速な発展に支えられ、これらの商品は海を越え、より手頃な価格で、より新鮮な状態で、中国各地の店頭に並べられている。
中国のクロスボーダーEコマースが成長を続ける中、他国との協力と交流もさらに緊密になっている。データによると、現在までに中国の「シルクロードEコマース」パートナー国は35か国に達している。Eコマース分野で国際間の協力が積極的に推進され、「Eコマースなら中国を訪ねよ」は、今や業界の共通認識となりつつある。
中国の主要なEコマースプラットフォームにはどのような特徴と新しいトレンドがあるのか?AIは産業の海外進出をどのように後押ししているのか?
このほど開催された「『シルクロードEコマース』オンライン講座・ASEAN特別セッション」では、スクリーンに中国語、英語、ベトナム語、タイ語の字幕がリアルタイムで表示され、参加者は熱心に耳を傾け、メモを取っていた。
近年、中国企業や中国Eコマースプラットフォームは海外進出を加速させており、アリエクスプレス(AliExpress)、TikTok Shop、TEMUなどのクロスボーダーEコマースプラットフォームは世界的に人気を博し、多くの「Eコマースファン」が中国に学びに来ている。
マレーシアプトラ大学(Universiti Putra Malaysia)のフスナさんは、中国でEコマースを学ぶ受講者の一人だ。最近、彼女は広西経貿職業技術学院で「中国語+クロスボーダーEコマース」職業技能訓練講座に参加している。この訓練講座は、新メディア運営、ビジネスデータ分析、越境店舗管理などの授業が行われるだけでなく、受講者自身が「ティックトック(TikTok)」などの海外Eコマースプラットフォームのライブ配信ルームを運営する機会も提供している。受講して間もないが、フスナさんは早くもティックトックでトレンディな玩具商品の販売に成功している。
中国が「一帯一路(Belt and Road)」共同建設のイニシアチブを実行する重要な措置として「シルクロードEコマース」はすでに多国間・二国間の経済貿易協力の新たなプラットフォームとなっている。その中核ブランドである「『シルクロードEコマース』オンライン大講堂」は、2020年の開講以来、108回開催され、80か国以上に恩恵をもたらしている。同プラットフォームの「中東欧州諸国特別講座」「ラテンアメリカ特別講座」「アフリカ特別講座」「ASEAN特別講座」などの特別セッションが順調に開催されている。オンラインとオフラインを組み合わせたライブ配信トレーニングが数多く実施され、多くの参加国で大量の電子商取引人材が育成された。
多くの伝統的な貿易業者にとって、中国のクロスボーダーEコマースプラットフォームに出店し、デジタル変革を実現することが、商品の世界的な販路を開く選択肢となりつつある。
「以前は英国やベルギーの顧客と直接取引できるとは思ってもみなかった」とウズベキスタン人商人のユージン氏は言う。従来型の貿易業者だった彼は当初、デジタルプラットフォームに強い疑念を抱いていた。昨年4月、偶然のきっかけで、ユージン氏の会社は中国の電子商取引大手「阿里巴巴集団(アリババグループ、Alibaba Group)国際サイト」に出店した。すぐに、同社の商品はEコマースプラットフォーム上で英語、ロシア語、アラビア語など多言語で掲載された。
そして掲載初月に早くも、英国から1200ドル(約17万6340円)ものトライアル注文を受けた。また、ベルギーのスーパーマーケットチェーンからは、初回9000ドル(約132万2550円)の注文が入り、その後また2倍の注文が追加された。ユージン氏は「今では毎日注文が入り、顧客は英国、ハンガリー、ロシアなどに広がっている。現在は欧州からの注文が受注全体の65%を占めている」と話す。
近年、中国のEコマースは、強いイノベーション能力、新しいビジネスモデル、市場規模の大きさといった強みを発揮し、世界のEコマース協力を積極的に推進してきた。現在までに、中国のシルクロードEコマースパートナー国は35か国に達し、一連の協力ブランドを構築している。120の「オンライン・オフライン国家館」を設置し、19か国に65の直接調達基地を建設し、100回以上にわたるEコマース「クラウド講座」業務研修を開催し、世界のEコマース協力を力強く促進している。
今年に入り、商務部は「Eコマースで世界を潤す」をテーマにした活動を展開し、18の地方政府と8つの主要Eコマースプラットフォームを組織して、40項目に及ぶ「協力項目リスト」を策定した。パートナー国が自ら項目を選んで参加できる「セルフサービス式」注文を採用し、Eコマース分野での実務的な国際協力を集約的かつ効率的に進めている。
「セルフサービス式」注文とは、「シルクロードEコマース」国際協力を展開する過程で、中国政府がパートナー国に提供できる「協力プロジェクト」をリスト化し、パートナー国が自国のニーズに基づき、適切な項目を選択して具体的な実施作業を展開するというものである。
現在、国際協力は著しい成果を上げている。広西チワン族自治区(Guangxi Zhuang Autonomous Region)で開催された「『シルクロードEコマース』オンライン講座・東南アジア諸国連合(ASEAN)特別セッション」では、初めて海外オフライン会場と実践訓練体験を設定し、数千名のASEAN諸国の受講者から好評を得た。
「アフリカ産良品オンライン購入シーズン」では200以上の「爆売れ商品」を生み出し、市場から広く歓迎された。
青島市(Qingdao)、広西チワン族自治区、湖南省(Hunan)などの地域では、上海協力機構(SCO)、ASEAN、アフリカなどの「シルクロードEコマース」パートナー国を支援し、新たに「オンライン・オフライン国家館」を設置予定だ。
商務部の何詠前(He Yongqian)報道官は「『Eコマースで世界を潤す』の担い手はEコマースであり、重点は普遍的な恩恵にあり、サービスの対象は世界のパートナーたちだ。次のステップとして、我々は引き続き高品質で特色ある世界の製品の輸入を拡大し、グローバルEコマースの大市場を共に建設し、共有していく」と語った。(c)People’s Daily /AFPBB News