イスラエル人入植者が殺害か、パレスチナ人の若者の葬儀 ヨルダン川西岸
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【9月25日 AFP】イスラエル占領下のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸アルムガイールにある村で24日、パレスチナ保健省がイスラエル人入植者の銃撃で死亡したと発表した若い男性の葬儀が執り行われ、数百人が参列した。
23日に殺害されたサイード・アル・ナサンさん(20)の遺体は頭に伝統的な頭巾クーフィーヤを巻かれ、パレスチナの旗で包まれて村内に運ばれた。
パレスチナ保健省は声明で、ナサンさんは「入植者の銃撃」によって死亡したと述べた。一方、イスラエル軍は、パレスチナ人たちが投石したため、非番の兵士が発砲したと発表した。
村長のアミン・アブ・アリヤ氏はAFPに対し、村人たちが23日夜、「(村の)東側にある家々の近くで、武装した入植者数人が牛を移動させているのを目撃した」と語った。
入植者が発砲してきてナサンさんが重傷を負い、その傷がもとで死亡したという。
イスラエル軍はAFPの取材に対し、この事件は「アルムガイール地区の牧草地で、12人のパレスチナ人がイスラエル民間人に石を投げつけた激しい衝突」のさなかに発生したと述べた。イスラエル軍は通常、入植者のことを「民間人」と呼ぶ。
現場にいた非番の兵士が、「容疑者ら(村人たち)が接近してきたため、空中に向けて数発発砲し、命中が確認された」という。
ヨルダン川西岸のイスラエル人入植者も兵役に就いており、非番時にも武器を携帯していることがある。
イスラエルは1967年からヨルダン川西岸を占領している。
パレスチナ自治区ガザ地区での紛争のきっかけとなった2023年10月7日のイスラム組織ハマスによるイスラエルへの攻撃以来、ヨルダン川西岸では暴力行為が急増している。
保健省の統計によると、それ以来、イスラエルの軍と入植者はヨルダン川西岸でパレスチナ人少なくとも981人を殺害しており、その中には多くの過激派戦闘員も含まれている。
公式統計によると、同じ期間に、治安要員を含むイスラエル人少なくとも36人がパレスチナ人の攻撃やイスラエル軍の軍事作戦中に殺害されている。(c)AFP