【9月23日 AFP】デンマーク・コペンハーゲン空港の上空を複数の大型無人機が数時間にわたり飛行し、空港が閉鎖された事件を受け、メッテ・フレデリクセン首相は23日、「デンマークの重要インフラに対するこれまでで最も深刻な攻撃」と述べ、警戒感を示した。

無人機は22日夜、施設上空を3時間以上にわたり飛行した。空港は23日早朝に再開したが、詳細不明の無人機の飛行により、数十便のフライトが迂回またはキャンセルされ、数千人の利用者に影響が出た。

フレデリクセン氏はAFPへの声明で「これは、最近報告された他の無人機攻撃、領空侵犯、欧州の空港を標的としたサイバー攻撃の一環だ」と述べた。

声明では、ポーランドとルーマニアでの無人機侵入や、ロシア戦闘機によるエストニア領空侵犯も取り上げられた。これらの事案を受け、各国政府はロシアを非難しているが、ロシア政府はこれを一蹴している。

フレデリクセン氏は、ロシアが関与している可能性も排除できないとしていたが、23日にロシア政府は関与を否定。大統領府のドミトリー・ペスコフ報道官は「根拠のない非難が繰り返されている」と記者会見で述べた。

デンマーク国家警察情報局「PET」のフレミング・ドレイヤー作戦部長は記者会見で、スカンジナビア諸国が「高い破壊工作の脅威」に直面していると指摘。「必ずしも攻撃する意図があるのではなく、むしろストレスを与えて、どのように反応するかを試しているのかもしれない」と語った。

警察当局は、無人機の操縦者を特定できていないとしている。(c)AFP