英ロンドンで大規模極右デモ、25人拘束 内相が非難
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【9月14日 AFP】英ロンドンで13日、極右活動家トミー・ロビンソン氏(42)が呼び掛けた反イスラム・反移民デモ「ユナイト・ザ・キングダム(王国を一つに)」が行われた。警察は11万~15万人が参加した大規模なデモで、暴力行為などにより25人の身柄を拘束したと発表した。
警察によると、秩序維持にあたる中で「容認できない暴力」が発生し、警官26人が負傷、このうち4人が重傷を負った。参加者の多くが英国旗やイングランド旗をまとい、抗議デモ会場の周辺では数時間にわたり緊張が続いた。
約1.5キロ離れた場所では「Stand Up to Racism(人種差別に立ち向かおう)」と銘打ったカウンターデモが行われ、約5000人が参加。両グループを隔てるため、警察官約1000人が動員された。
ロンドン警視庁幹部マット・ツイスト氏は「多くの人が合法的な抗議の権利を行使するために来たが、暴力を目的として来た人も少なくなかった」とし、「彼らは警官に対して身体的および言葉による暴力を行い、安全を確保するために設置されたバリケードを突破しようと強く試みた」と述べた。
シャバナ・マフムード内相は「警察官を攻撃し負傷させた者たち」を非難し、「犯罪行為に関与した者は法の厳しい裁きを受ける」と強調した。
ロビンソン氏が呼び掛けたデモ参加者はウェストミンスター橋を渡り、ダウニング街近くで集会を開いた。集会には米実業家イーロン・マスク氏がビデオリンクで登場したほか、フランスの極右政治家エリック・ゼムール氏、ドイツの反移民政党「ドイツのための選択肢(AfD)」のペトル・ビストロン氏らが演説した。
10年以上にわたりこの種の集会を監視してきた反人種差別団体「Hope Not Hate」の研究部門ディレクターはBBCに「おそらく英国で過去最大の極右デモ」と語った。キングス・カレッジ・ロンドンのジョルジオス・サマラス准教授(公共政策)も同意し、「極右内の複数の派閥や新たな参加者がロンドンに集結したことを示している」と述べた。(c)AFP