【9月12日 AFP】キア・スターマー英首相は11日、ピーター・マンデルソン駐米大使の解任を発表した。マンデルソン大使は、性的人身取引の罪で起訴され勾留中に自殺した富豪ジェフリー・エプスタイン元被告との親交で新たな事実が発覚していた。

スターマー首相は、エプスタイン元被告が有罪判決を受けた後にマンデルソン氏が送ったメールが明らかになったことを受け、イベット・クーパー外相にマンデルソン氏の解任を指示した。

クーパー外相の事務所によると、「メールの内容から、マンデルソン氏とエプスタイン元被告の関係の深さと広がりが、任命時に知られていたものとは大きく異なることが判明した」という。特にマンデルソン氏は、エプスタイン元被告の「初回の有罪判決は誤りであり、争うべきだ」と主張していたことが新情報として問題視された。

英BBCによると、マンデルソン氏は大使館職員への手紙で「今日の発表に至った状況を深く後悔している」と謝罪。「20年前のエプスタインとの関係と、彼の被害者たちの苦しみに対して、今も非常に心を痛めている」とも記した。

ブルームバーグの報道によれば、マンデルソン氏は2008年にエプスタイン元被告が性犯罪で捜査されていた際、「いつでも力になる」と支援のメールを送っていたほか、「早期釈放を目指して戦うべきだ」と助言していたとされている。

スターマー首相の報道官は「メールの内容は明らかに非難されるべきものであり、首相は迅速かつ断固とした対応を取った」と述べた。

今回の解任人事は、来週予定されている米国のドナルド・トランプ大統領の訪英を前に、スターマー首相にとっては政治的・外交的な痛手となる。トランプ氏自身もエプスタイン元被告との関係について疑問を投げかけられている。(c)AFP