【9月12日 AFP】南アフリカの憲法裁判所は11日、男性は結婚後に妻の名字を名乗ることができるべきであり、これを禁じる法律は不当な性差別に当たるとの判決を下した。

憲法裁は、この法律による禁止は政府の正当な目的を果たさないとして停止を命じ、議会による法改正の道筋を開いた。

判決は、男性が結婚後に妻の名字を名乗る権利を奪われた一方で、女性に対する差別は「はるかに陰湿」だと指摘。

「この差別は、女性が自らのアイデンティティーをどのように表現するかを規定する家父長制的なジェンダー規範を強化し、この表現を夫との関係性に基づいて行うことを、政府および文化におけるデフォルトとみなすものだ」と述べた。

この訴訟は2組の夫婦によって提起された。1組は、妻が幼い頃に亡くなった両親をしのぶため、もう1組は、妻が一人っ子であるため、妻側の名字を維持したいと訴えていた。

これまで、男性が結婚後に名字を変更するには内務省に申請する必要があり、自動的に認められるわけではなかった。

男性が結婚後に妻の姓を名乗ることを許可する規定は、主に欧州諸国や米国の一部の州で既に施行されている。(c)AFP