公共図書館の性教育図書制限は「知る権利侵害」…韓国人権委が是正勧告
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韓国の国家人権委員会は9月8日、一部の公共図書館が子どもや青少年に対し、性教育・性平等関連図書の閲覧・貸出を制限したり、希望図書としての購入を保留したりしていることについて「法的根拠のない知る権利の侵害に当たる」と判断し、是正を勧告した。
発端は、ある地方に住む市民300人余りと青少年エッセイ著者が、人権委に対して「地域の公共図書館が住民の苦情を理由に、性教育・性平等関連図書を別置し、未成年は保護者同意なしには閲覧・貸出できないようにしている」と申立てたことだった。
人権委の調査で、一部の宗教団体や保護者団体が「早期の性愛化」や「性的少数者擁護」を理由に関連図書の撤去や回収を繰り返し要求していた事実が確認された。これを受けた一部図書館は書架から図書を外し、別の空間に置いて保護者の同意がある場合にのみ閲覧可能とした。
しかし、出版物倫理委員会は2023年11月から2024年7月までに問題視された148種類の図書を審議した結果、すべて「青少年有害出版物ではない」と決定していた。
人権委の児童権利委員会は「審議機関が有害指定しなかった図書を公共図書館が独自に制限するのは法的根拠がなく、子どもの知る権利を侵害する」と指摘。図書館法は国家と自治体に知識・情報へのアクセス権保障を義務づけており、青少年保護法や出版文化産業振興法は有害出版物の審議権限を出版物倫理委員会に付与していると説明した。
そのうえで人権委は、該当する地方の知事と教育監に対し、青少年保護法や出版文化産業振興法で有害指定されていない性教育・性平等図書の別置や利用制限がされないよう、公共図書館への指導・監督を強化するよう勧告した。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News