【9月10日 AFP】パム・ボンディ米司法長官は9日、ウクライナ難民の女性を殺害した罪で起訴された男に対し、「最高刑」を求刑すると明言した。ドナルド・トランプ政権は、民主党が支配する都市での犯罪取り締まりを進めている。

当局によると、イリーナ・ザルツカさん(23)は先月、ノースカロライナ州シャーロットでライトレールに乗っていた際、デカルロス・ブラウン・ジュニア被告(34)に背後から何度も刺された。

ボンディ氏は声明で、「この許しがたい暴力行為に対し、最高刑を求刑する。彼は二度と自由な人間として日の光を見ることはないだろう」と述べた。

声明によると、ブラウン被告は公共交通機関で死を引き起こしたとして連邦法違反の罪で起訴されており、終身刑または死刑を科される可能性がある。

メクレンバーグ郡検察も、ブラウン被告を第1級殺人罪で別途起訴している。

米国の刑事事件は通常、州および地方の刑法に基づき、地方検事の管轄となる。連邦検察が担当するのは通常、連邦法に違反した犯罪に限定される。

現地の民主党指導者たちは、ザルツカさん殺害事件への対応でブラウン被告の精神疾患の過去を強調し、批判を浴びた。

トランプ氏は8日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で、「悪人を刑務所に入れることを拒否する民主党のせいで罪もない人が死んでいる」と述べた。

拡散した防犯カメラの映像には、ライトレールの車内でザルツカさんが、後ろの席に座った男に3回刺さされる場面が映っている。事前に何のやり取りもなく、突然襲われた。

トランプ政権当局者はこの事件を取り上げ、民主党は犯罪に甘いと非難している。

ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は9日の記者会見で、ブラウン被告には武装強盗を含む複数の前科があると述べた。

「この人非人は刑務所に入れられるべきだったし、イリーナさんはまだ生きているべきだった。しかし、民主党の政治家、リベラル派の裁判官、そして軟弱な検察官たちは、犯罪者を収監して地域社会を守るよりも、善人ぶることを優先している」と述べた。

ローリー・ニュース&オブザーバー紙がブラウン被告の以前の事件の弁護人の話として報じたところによると、被告には「長年の精神疾患の病歴」があるという。(c)AFP