韓国・ピザ店刺傷事件の背景に「差額加盟金」問題…フランチャイズ本部と加盟店の深刻な対立
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【09月09日 KOREA WAVE】ソウル市冠岳区で9月3日に発生したピザフランチャイズ加盟店主による刺傷事件の背景に、フランチャイズ本部と加盟店主の深刻な経営上の対立があることが明らかになった。容疑者である40代の加盟店主は、市価より高い価格で本部から材料を納入させられる「差額加盟金」の仕組みや、過酷な労働環境に不満を漏らしていたという。
事件後、自らも負傷して治療を受けているこの加盟店主は家族に「結局は本部だけが太る仕組みだ」「フランチャイズは絶対にやるな」と嘆いていたとされる。容疑者はまた「材料を他から調達できれば利益は増えるのに、本部が監視している」とも訴えていた。
同じフランチャイズで営業する別の加盟店主も「本部が納品するチーズは市価より40%ほど高い」と明かし、「本来は大量購入で安くなるはずが、逆に2倍の値段で売られる」と不満を示した。別の50代の元加盟店主も「食材だけでなく容器などの消耗品も本部を通して買う場合が多く、個人調達より割高だ」と語った。
フランチャイズ本部が契約書に明記せず、慣行として差額加盟金を徴収することの是非は近年、裁判で争われている。2020年には韓国ピザハットの加盟店主約90人が差額加盟金返還を求めて訴訟を起こし、一審では本部に約75億ウォン、二審では210億ウォン余りの返還を命じる判決が下された。現在は大法院(最高裁)で最終判断を待っている。
こうした動きは韓国の外食フランチャイズ全体に広がっており、フライドチキン大手のプラダックチキン、BHC、BBQチキンや、アイスクリームチェーンのバスキン・ロビンス、さらにはキョチョンチキンなどでも同様の訴訟が提起されている。
(c)news1/KOREA WAVE/AFPBB News