トランプ氏、国防総省を戦争省に改称 世界への「勝利のメッセージ」
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【9月6日 AFP】ドナルド・トランプ米大統領(79)は5日、国防総省の呼称として「戦争省(Department of War)」を使うことを認める大統領令に署名し、世界に「勝利のメッセージ」を送るものだと述べた。
ホワイトハウスで行われた署名式で、ピート・ヘグセス国防長官に付き添われた共和党のトランプ氏は、70年以上使用されてきた国防総省という名称は「ウォーク(目覚めている、の意。社会問題や人種差別、性差別などへの意識が高いことを示す)」過ぎると述べた。
トランプ氏は大統領執務室で記者団に対し、改称について「勝利のメッセージを送るものだと考えている。世界の現状を考えると、はるかに適切な名称だ」と述べた。
「戦争省」は、イギリスからの独立直後の1789年から第2次世界大戦直後の1947年まで、150年以上にわたって使用されてきた戦争省(陸軍省、 War Department)を想起させる。
トランプ氏は議会の承認なしに国防総省の名称を正式に変更することはできないが、大統領令は同省の「通称」として「戦争省」を使用することを認めるものだ。
ヘグセス氏は名称変更を歓迎。戦争省の自室のドアに「戦争長官」と書かれた新しいネームプレートを貼る動画を速やかに投稿した。
退役軍人でもあるヘグセス氏は、名称変更は「単なる改名ではなく、戦士の精神を取り戻すものだ」と主張。
「最大限の殺傷力であって、生ぬるい合法性ではない。暴力的な効果であって、政治的な正しさではない。われわれは、防衛者ではなく戦士を育成する」と述べた。
トランプ氏は、第1世界大戦と第2世界大戦で勝利して以降の米国の軍事的失敗は、1949年に国防総省と名付けたせいだと主張しているようだった。
トランプ氏は「われわれはすべての戦争に勝つことができたはずだ。だが、実際にはポリティカルコレクトネス(政治的正しさ、政治的妥当性)な、あるいはウォークな姿勢を選んでしまった」と述べた。
トランプ氏の「戦争省」への名称変更は、6~7の紛争の終結に貢献したとしてノーベル平和賞受賞を目指すキャンペーンとも矛盾しているようにも見受けられる。(c)AFP