【9月9日 CNS】近年、中国発の消費ブランドが次々と台頭しており、「黄金界のエルメス(Hermes)」と称される老舗ブランド「老鋪黄金」はその代表格だ。同社が8月20日に発表した中間決算報告によると、2025年上半期の売上高は123億5400万元(約2594億円)に達し、前年同期比251%増を記録した。欧米メディアによれば、老鋪黄金の急成長は欧州のラグジュアリーブランド業界でも注目を集めている。

2009年設立の老鋪黄金は、中国でいち早く「古法黄金(伝統技法による黄金工芸)」のコンセプトを打ち出したブランドである。製品ラインアップは日常着用の装飾品から、文房具・置物、日用金器、家庭用装飾品まで多岐にわたる。近年中国で盛行する「国潮(中国スタイルの新潮流)」の追風に乗り、同社は無形文化遺産の工芸技法と現代デザインを融合させ、中〜高級消費層からの支持を着実に拡大している。

米コンサルタント会社フロスト・アンド・サリバン(Frost & Sullivan)調査データによると、老鋪黄金の顧客層はルイ・ヴィトン(Louis Vuitton)、エルメス、カルティエ(Cartier)、ブルガリ(Bvlgari)など国際五大ラグジュアリーブランドと平均80%近く重複している。今年6月30日現在、老鋪黄金は29の主要商業施設に41店舗を展開し、単一商業施設あたり平均売上高4億5900万元(約96億円)は、国際トップラグジュアリーブランドを凌駕する数値である。

「古法黄金工藝」は中国古代の宮廷工房に起源を持ち、皇室御用達の金細工技法として明清時代に最盛期を迎えた。花絲(細金細工)、鏨刻(彫金)、鍍金、七宝焼きなどの技法を含み、その一部は国家級無形文化遺産に認定されている。この工芸は重厚な質感を特徴とし、職人の手作業による制作が必要なため、一般の金製品より加工費が割高となる。世界黄金協会の統計では、2019年以降、古法金の市場シェアは5年連続で拡大し、2023年には中国金飾り消費総量の35%を占めるに至った。

老鋪黄金は「古法黄金」コンセプトの先駆者であるだけでなく、中国金飾り業界で初めて「定価販売制」を導入した。これは伝統的な金店が採用する「当日金価格×重量+加工費」という計算方式とは対照的で、国際ラグジュアリーブランドの販売戦略を参考に、国産金飾りを高級奢侈品として位置付けようとする試みである。

現時点で同社の経営戦略は明らかに奏功しており、店頭に長蛇の列ができる光景が頻繁に報道されている。今年6月30日現在、ロイヤルティ会員数は約48万名に達し、前年末比13万名増となった。特筆すべきは、今年6月にシンガポールの商業ランドマーク「マリーナベイ・サンズ(Marina Bay Sands)」に海外第1号店を出店すると、同複合施設では珍しい継続的な行列が発生し、中国消費ブランドの海外市場における競争力を示した。

資本市場でも同社は高い評価を得ている。2024年6月に香港株へ40.5香港ドル(約810円)で上場後、株価は1年で20倍以上上昇し、今年7月初頭には1100香港ドル(約2万2000円)を突破。香港市場史上10銘目となる「千元株(株価1000香港ドル(約2万円)超)」の仲間入りを果たした。

モルガン・スタンレー(Morgan Stanley)はリサーチレポートで「老鋪黄金の突出した業績は、数十年間無敵と思われてきた欧州ラグジュアリーブランドの常識を覆すもの」と分析する。業界関係者は、同社を「中国文化を根底に置きながら国際的な消費市場の潮流を理解する、中国新興消費ブランドの典型」と評価する。東洋美学と国際的感覚を兼備した中国発消費ブランドの更なる登場が期待される。(c)CNS/JCM/AFPBB News