CDC元所長ら9人、NYタイムズ寄稿でケネディ氏を批判
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【9月2日 AFP】米疾病対策センター(CDC)の元長官ら9人が1日、米紙ニューヨーク・タイムズへの寄稿で、ドナルド・トランプ政権による同機関の弱体化に警鐘を鳴らし、ロバート・F・ケネディ・ジュニア米厚生長官が「すべての米国人の健康を危険にさらしている」と警告した。
CDCをめぐっては先週、スーザン・モナレズ所長がケネディ氏のワクチン政策変更を支持しなかったとして解任されたばかり。解任を受けて上級幹部が少なくとも4人辞任し、混乱が深まっている。
ジミー・カーター氏からドナルド・トランプ氏まで、歴代大統領の下でCDCを率いた元所長ら9人は「われわれはCDCを運営してきた。ケネディ氏はすべての米国人の健康を危険にさらしている」と寄稿の中で警告した。
ケネディ氏がCDCと国の公衆衛生システムに対して行ったことは、「われわれがこれまでに見たことのないものであり、わが国が経験したことのないものだ」と指摘し、「モナレズ博士の解任はその最たる例だ」とした。
また寄稿は、ケネディ氏が連邦保健職員数千人を解雇し、国民をがんや心臓発作などから守るためのプログラムを弱体化させたこと、数十年ぶりの大規模な麻疹流行のさなかに「証明されていない『治療法』に固執し、ワクチンを軽視した」ことも挙げた。
さらに、国民数百万人が健康保険を失う恐れのある連邦法案を推進したことにも触れ、「これは容認できず、政治的立場にかかわらず、すべてのアメリカ人が懸念すべきだ」と訴えた。
寄稿の前日には、デメトレ・ダスカラキス氏が、モナレズ氏解任に抗議してCDCの予防接種・呼吸器疾患国家センターの責任者を辞任しており、ケネディ氏への反発が広がっている。(c)AFP