【8月30日 AFP】米控訴裁判所は29日、世界の貿易を混乱させたドナルド・トランプ米大統領による関税措置が違法との判決を下した。しかし、当面は関税の維持を認め、トランプ氏が最高裁判所で争う猶予を与えた。

今回の判決は、トランプ氏が国際緊急経済権限法(IEEPA)を用いて広範囲にわたる関税を課したことが、「権限の逸脱」であるという一審判決を支持した。

しかしながら裁判所は関税の即時撤廃は求めず、10月中旬までの継続を認めている。

トランプ氏は自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」で判決に反発を示し、「控訴裁判所は誤って関税を撤廃すべきと述べたが、最終的には米国が勝利することを彼らも分かっている」と投稿。「米最高裁判所の助けを借りて」反撃すると付け加えた。

1月の大統領復帰以降、トランプ氏はIEEPAを根拠にほぼすべての貿易相手国に対して「相互」関税を導入。基準レベルを10%とし、数十の国・地域に対してはより高い税率を適用している。

関税を経済政策の主要手段として活用してきたトランプ氏にとって、この判決は打撃となる。

欧州連合(EU)など主要な貿易相手国との合意にも影響を及ぼす可能性があり、仮に保守派が多数を占める最高裁がトランプ氏を支持しない場合、米国がこれまでに徴収してきた数十億ドルの扱いが問われることになる。(c)AFP