「南京事件」描く映画、中国で大ヒット 残虐描写を多くの子どもが鑑賞
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■反日感情あおるために仕組まれた?
この映画のストーリーは、写真館に隠れた南京市民たちが、旧日本軍による戦争犯罪の「記念品」となる写真を現像させられるというものだ。
香港の英語日刊紙サウスチャイナ・モーニング・ポストは、この映画を「雷のような迫力」と評する一方、一部の暴力シーンは「まるで反日感情をあおるために仕組まれたかのようだ」と評した。
中国ではこの夏、『南京写真館』以外にも日中戦争を描いた映画が複数公開されている。中国人の多くはこの戦争で旧日本軍が大勢の中国人を殺害したにもかかわらず、日本側がきちんと償いをしていないと感じている。
中国は、抗日戦争勝利80周年を記念する9月3日の大規模な軍事パレードに向けて準備を進めている。
『南京写真館』のポスターには、「中国人は誰も忘れないだろう」と書かれている。
撮影所を訪れたジャン・シャンさん(37)は「(このような映画が)憎しみを表現しているとは思わない。歴史を修復する必要があるからだ」と語った。
南京事件の死者数は依然として議論の的になっているが、中国は30万人だと主張している。南京事件があったことは圧倒的な国際的証拠で示されているにもかかわらず、日本の超保守派の一部は事件そのものを否定し、「南京事件はなかった」と主張している。
ジャンさんは、中国の苦しみに対する認識は世代を超えて受け継がれ、「私たち(中国人)は自らを頼り、強くなり続ける必要がある」と教えるべきだと述べた。