【8月27日 AFP】米国のトム・バラック駐トルコ大使兼シリア特使は26日、レバノン大統領府で行われた記者会見で同国の記者団に対し「文明人らしく行動する」よう求めた。これに対し同国の記者らは抗議し、謝罪を求めた。バラック氏は最近、レバノン当局との会談も主導している。

米国代表団とレバノンのジョゼフ・アウン大統領の会談後、記者たちが満員の会見室で大声で質問を浴びせる中、バラック氏は壇上に上がり、「通常とは異なるルールを適用する。しばらく静かにしてほしい」「この場が混乱し始め、動物的になった瞬間、われわれは去る」と述べた。

「文明人らしく、思いやりと寛容さを持って行動してほしい。これこそが中東で起きている問題だからだ」と付け加えた。

レバノン大統領府はX(旧ツイッター)に投稿した声明で、「ゲストの一人が壇上で不注意な発言をした」ことに遺憾の意を表明し、記者と報道関係者に謝意を表した。

ポール・モルコス情報相は声明で、「大統領府で外国代表団の一員がメディア関係者に対して行った」発言について遺憾の意を表した。

フォトジャーナリスト組合は声明で、バラック氏の発言を「直接的な侮辱」であり、「重大かつ全く容認できない前例を作った」と非難。「速やかな公式謝罪」を求め、「起きたことの重大性を軽視したり、責任を問うことなく放置したりする」試みを拒絶した。

報道編集者組合もまた、「公式の謝罪声明」を求め、バラック氏の今後の訪問や会談をボイコットする意向を示した。

レバノンのジャーナリスト組合は、バラック氏の発言は「メディアへの対応における容認できない傲慢(ごうまん)さを反映するものだ」とし、公式の謝罪を求めた。

親イラン民兵組織ヒズボラ出身の議員で、議会メディア委員会の委員長を務めるイブラヒム・ムサウィ氏は、バラック氏の発言を「露骨な侮辱」と呼び、政府に対し「バラック氏を呼び出して叱責(しっせき)する」よう求めた。(c)AFP