【8月27日 AFP】フランスのエマニュエル・マクロン大統領は26日に公表されたイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相宛ての書簡で、ネタニヤフ氏によるフランスにおける反ユダヤ主義の高まりに対する批判を強く否定し、この問題を「武器化」すべきではないと警告した。

パレスチナ自治区ガザ地区での紛争をめぐり国際的な緊張が高まる中、フランスでは増加する反ユダヤ主義的行為やヘイトクライム(憎悪犯罪)をめぐって論争が巻き起こっている。

マクロン氏は複数の新聞に掲載されたネタニヤフ氏宛ての書簡で、「われわれはこの対策に対し全力を尽くして闘っている。何もしていないという非難は容認できず、フランス全体に対する侮辱である」「反ユダヤ主義との闘いを武器化してはならず、イスラエルとフランスの間にいかなる不和も生じさせない」と主張。

「ガザにおける、残忍で違法な永続的な戦争という絶望的な競争を終わらせるよう、厳粛に訴える。この戦争は、貴国に屈辱を与え、国民を窮地に陥れている」と続けた。

ネタニヤフ氏は8月中旬に送った書簡で、マクロン氏がパレスチナを国家承認する方針を示したことを受け、フランス国内で反ユダヤ主義が「急増」していると主張。

「パレスチナ国家樹立を求めるあなたの呼び掛けは、反ユダヤ主義の火に油を注ぐものだ。これは外交ではなく、宥和(ゆうわ)政策だ。イスラム組織ハマスのテロに褒美を与え、ハマスの人質解放を拒否する姿勢を強め、フランスのユダヤ人を脅かす者たちを勇気づけ、今やあなたの街にはびこっているユダヤ人憎悪を助長するものだ」と述べた。(c)AFP