サポーター同士が試合中に大乱闘 125人拘束 南米サッカー
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【8月22日 AFP】20日夜に行われたサッカーのコパ・スダメリカーナ決勝トーナメント1回戦、インデペンディエンテ(アルゼンチン)対ウニベルシダ・デ・チレ(チリ)第2戦で、両チームのサポーター同士がナイフや棒、スタングレネード、トイレの備品などを用いて乱闘騒ぎを起こした。21日にインデペンディエンテ関係者がAFPに明かしたところによると、125人が拘束されたという。
チリ政府は、自国民19人が負傷しており、そのうち1人が刺し傷を負ったと発表。一方でアルゼンチンのメディアは、3人が頭部に重傷を負ったと報じている。
チリのガブリエル・ボリッチ大統領は、この事件を「許しがたいリンチ」と表現し、正義を求めている。
AFPの記者によると乱闘はハーフタイムに発生し、ウニベルシダのサポーターが石、棒、ボトル、座席をホームサポーターに投げつけ始めた。
選手や審判団、関係者がピッチ上で頭を抱える中、インデペンディエンテのサポーターはウニベルシダのサポーターエリアに突入し、逃げられない、あるいは逃げようとしない相手に暴行したり、服をはぎ取ったりし、流血沙汰となった。ウニベルシダのサポーターの一人は、暴力から逃れるためスタンド上層部から飛び降りたものの、奇跡的に命に別条はなかった。
インデペンディエンテの会長は、ウニベルシダのサポーターがトイレを破壊してスタンドに投げ込んだと非難している。
試合は48分過ぎに、1-1の状況で中止となった。
南米サッカー連盟(CONMEBOL)は、責任者に対して「最大限の断固たる態度」で行動すると述べている。両クラブが直面する処分は、罰金から失格まで多岐にわたることになる。
チリ側は調査のため、内務大臣をブエノスアイレスに派遣している。
チリの首都サンティアゴから試合観戦に訪れ、友人が拘束されているという男性は、主催者側が安全の確保をできなかったと非難し、「彼ら(インデペンディエンテ)はこの規模の試合を組織する方法を知らない。誰もが物を投げることは分かっている」と述べた。
一方でインデペンディエンテのサポーターは、試合会場の警備やアウェーサポーターの区画をホームサポーターの近くに配置した決定に怒りを示していた。スタジアムには少なくとも650人の警官と民間警備員が配備されていた。
ブエノスアイレス州の治安担当トップは、CONMEBOLが「非常に敵対的な態度であることが明確だったにもかかわらず」試合を中断するのに時間をかけ過ぎたと非難の声を上げている。
また、国際サッカー連盟(FIFA)のジャンニ・インファンティーノ会長は、この暴力行為を「野蛮」と呼び、「模範的な制裁」を求めている。(c)AFP