米政府がAIで移民監視、親パレスチナ派を標的 アムネスティが非難
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【8月21日 AFP】国際人権NGOアムネスティ・インターナショナルは20日、米当局がパランティア社とバベル・ストリート社の人工知能(AI)ツールを用いて、移民を監視したり、親パレスチナのデモに参加する非市民を標的にしたりしていると非難した。
アムネスティによると、米国土安全保障省の公文書などを調査したところ、AI企業が提供するソフトウエアが大量監視や人物判定を可能にしており、多くの場合国外出身者が対象になっているという。
アムネスティのシニアディレクターを務めるエリカ・ゲバラ・ロサス氏は、「米国政府は、大規模な本国送還計画と親パレスチナ表現の取り締まりという文脈の中で、侵襲的なAI搭載技術を展開しており、一連の人権侵害を引き起こしている」と述べた。
「これが不法な拘留や大規模な本国送還のパターンにつながり、移民コミュニティーや学校やキャンパスの国際学生に対する恐怖の雰囲気を醸成して、『萎縮効果』を悪化させている」
アムネスティは調査で、米国務省が「キャッチ・アンド・リボーク」戦略の一環としてAIを使用し、移民、難民、亡命希望者を追跡していると判断。この戦略には、ソーシャルメディアの監視、在留資格の追跡、留学生などビザ(査証)保持者の脅威評価の自動化が含まれているという。
ゲバラ・ロサス氏はパランティア社とバベル・ストリート社のAIシステムが、米政府の抑圧的な戦略実行の上で重要な役割を果たしていると指摘し、両社が「顧客の政策によって生じる深刻な人権侵害を改善するため、サプライヤーとして影響力を行使できることを示さない限り、移民取り締まりに関連する米国政府との業務を直ちに中止すべきだ」と述べた。
再就任してから、ドナルド・トランプ米大統領は国内の主要大学が「ウォーク(目覚めている、の意。社会問題や人種差別、性差別などへの意識が高いことを示す)」政治に偏っていると主張。政権はパレスチナ自治区ガザ地区でのイスラエルの紛争終結を求めるキャンパスでの抗議活動を「反ユダヤ主義的」とし、参加した学生や教授を追放する動きを見せている。(c)AFP