【8月21日 AFP】米テキサス州議会下院は20日、連邦下院選の選挙区の区割りを共和党有利に変更する法案を賛成88、反対52で可決した。同法案は、前会期で可決している上院に回された後、共和党のグレッグ・アボット知事に送られる。

ゲリマンダー(ゲリマンダリング)として知られる特定の政党や候補者に有利なように選挙区の区割りをする措置は、物議を醸すものの合法だ。2026年中間選挙で過半数維持を目指す共和党は、テキサス州で自党優勢となる選挙区を現行より5区増やそうとしている。

民主党議員50人以上が採決を阻止するために州外へ逃亡したため、採決は2週間延期されていた。

民主党議員は今週帰還したが、彼らの抗議活動は全米で区割り合戦を引き起こした。トランプ氏は各州の共和党幹部に対し、連邦下院の過半数維持に全力を尽くすよう圧力をかけている。

オースティンに拠点を置くニュースサイト「テキサス・トリビューン」によると、テキサス州議会が区割りについて議論する中、民主党のクリス・ターナー下院議員は、新たな区割りを「投票権法と憲法の明確な違反」だと非難した。

各州は通常、10年に一度の国勢調査の後にしか区割りを行っていない。

だが、テキサス・トリビューンによると、区割り変更法案を提出した共和党のトッド・ハンター議員は、「区割り変更はいつでも行うことができる」と主張。「この計画の第一の目的は単純明快だ。共和党の政治能力を向上させることだ」と続けた。

民主党がテキサス州の区割り変更を阻止できる可能性はほとんどないが、カリフォルニア州で報復措置を取った他、民主党が主導する他の州でも、テキサス州の策略が全米に広がる可能性を懸念し、真剣な議論が行われている。

共和党は区割り変更によって自党有利となる選挙区を少なくとも10区増やそうとしており、オハイオ州、ミズーリ州、ニューハンプシャー州、インディアナ州、サウスカロライナ州、フロリダ州を標的にしている。

トランプ氏は18日、自身のSNS「トゥルース・ソーシャル」にテキサス州の区割り変更案を投稿し、「私がこれまで支持してきた中で最も人気のある取り組みの一つだ」と述べた。(c)AFP