【8月19日 AFP】スウェーデンで最も美しい建物の一つとされる歴史的な赤い木造教会が、欧州最大の地下鉱山の拡張のため、トレーラーに載せられ5キロの道のりを移動する。

北極圏の町キルナにあるキルナ教会は、1912年に建てられたスウェーデンのルーテル教会。トレーラーに載せられた672トンの建物は19日から20日にかけて、時速0.5キロのペースで5キロ離れた新しいキルナの町へと進む。

LKAB地下鉱山は地域の一大産業だが、長年にわたる掘削が地盤を弱め、一部の地域で崩壊のリスクを高めている。

そのため、キルナの町の中心部をそっくり移すプロセスが約20年前に始まり、今後も数年間続く予定だ。新しい町の中心部は2022年9月に正式にオープンした。

教会の移設だけでも5億クローナ(約77億円)の費用がかかり、LKABが負担している。

スウェーデンの建築家グスタフ・ウィックマンによって設計されたキルナ教会は、高さ40メートルで、先住民サーミのデザインがベンチに取り入れられているなど、さまざまな影響を受けたデザインが特徴だ。

教会は、キルナ移転で移される23の文化的建物の一つ。LKABはこの移転を「世界史上のユニークなイベント」と呼んでいる。(c)AFP/Jonathan KLEIN